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第45話  

Auteur: 水木生
篠田初は、二十日後に松山昌平と離婚する予定なので、今後の関係は一切ないと考えれば、何もせずに立ち去ることもできた。

 たとえ今夜彼が不幸にも命を落としたとしても、彼女は第一相続人としてかなりの遺産を手にすることができた。

 しかし最終的に、篠田初はその決断を下せず、会場に戻ることにした。

 冷酷な男が自分の子供たちの父親である以上、見捨ててしまえば子どもたちに一生恨まれるだろうと考えたからだった。

 会場の雰囲気はすでに白熱していた。

 「七億円!」

 「八億円!」

 「九億円!」

 会場の名流たちは、熱心に札を上げて競り合っていた。

 競りの焦点は、篠田初が無名指から外した婚約指輪だった。

 篠田初が席に戻ったとき、すでに価格は九億六千万円まで達していた。

 「これ、どうなってるの?」

 篠田初は、その指輪が四億から六億円程度の価値しかないことを覚えていた。

 お金持ちは本当に、お馬鹿さんなのか?

 彼女は飲み物を取りに手を伸ばしながら、驚きを抑えようとした。

 その時、ちょうど松山昌平の手と触れた。

 男の指は冷たく、彼の冷淡な顔と同じように近寄りが
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